ここだけの話
てのが、性に合わない。
ゆえに、商売もヤメた。
どうも、帳尻だけ合えば、過程、中身はカンケーないというのができない、いや、できなかったのだ。
検査証と報告書が出れば、安いところ、中身がどうだっていいからってのが、いまだ。
悪いところがあれば、たいそうな事でなければ、追加料金を取らずとも、手間をかけ、納めるのが仕事だと心得ていた。
それでも、しっかりみるからこその手間賃というものがあるし、しっかりみさせていただくから、保証できるのだけれど。
安さなのだ。
そもそも、ユーザーにも思い入れはない。
ダメなら、買い替えるしかない。
そりゃそうだけど、しっかりと扱えば、とも思うが、いまどは、ひどくドライなのだ。
ものに対する事だけでもない。
人に対してもそう。
ま、ひどく感情移入するのもどうかと思うけれども、ね。
昔、物を大事にしなさいとよくいわれた。
いっとき、使い捨てという言葉も使われた。
でも、いま言う人はあまりないね。
使われるタイミングはきっと、ある意味、旬てヤツで、コレはヤダなって、みんなが思ってる事なんだろうと思う。
それを通り越しちゃうと、あたりまえになってしまって、わざわざ使う事さえなくなるというね。
いまならば、法令遵守。
みんな、テキトーに法の外に、はみ出てるのが日常にあるとわかってる状況てのかさ。
これアウトだけど、みんなもやってる、でしょ?みたいな、ね。
ダメだったな。
会社やる時、綺麗事でやりきろうと継いだから。
みんながやってない事。それこそ、理想とした綺麗事だったからね。
あそこがこうやってるから、うちがやってもセーフなはずがないし、己がアウトと判断したものはできなかった。
アウトとして判断できて、しかもアウトを、けっしてやらない。
他はどうであれ、己の道は、そこにしかないと。
いまどきではないのかもしれない。
ただ、ギョーカイでは道がなくなった、経営者として歩む道が。
夢のある職場などないのかもしれない。
だけど
己にまで嘘が要る仕事はしたくない。
これからは、雇われの身だけれど、嘘のない、己だけで勝負ができる場所だろうと、心機一転、未知の門を叩いた。
自分の想像している自分に近づけるように、長期戦で挑む。
長期戦と思えども、短期目標を確実に拾いつつ。
まずは勉強。終わりのない事も承知である。